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2026年5月17日

情報処理安全確保支援士の取得までの勉強法——2回受験・約1年の記録

執筆: ただの会社員

情報処理安全確保支援士の取得までの勉強法——2回受験・約1年の記録
この記事でわかること
  • 情報処理安全確保支援士を約8カ月・2回受験で合格した実体験の記録
  • 1回目(午前突破)・2回目(合格)それぞれの勉強法と使用教材
  • 過去問道場を活用した午前対策と左門至峰氏の解説書による午後対策の方法
  • 仕事・育児を抱えながら高度区分に挑む際の逆算プランと精神的な余裕の作り方
情報処理安全確保支援士(SC)をご存知でしょうか。IPAが実施するセキュリティ分野の高度情報処理技術者試験で、合格率は例年20%前後と難関の国家資格です。この記事では、私が2020〜2021年に約1年かけて取得した実体験をもとに、当時の勉強法・使った教材・各回の得点と反省を正直に記録しています。「働きながら高度区分に挑む」という方の参考になれば幸いです。

なぜ受験したのか

きっかけは職場の目標設定でした。2019年当時、私は前職のIT SIer企業で「情報管理室」という社内向けの課に所属していました。その課の事業計画における定性目標のひとつに、「情報処理安全確保支援士の合格」が明記されていたのです。

外から課せられた目標ではあったものの、セキュリティの知識は実務でも直接役立つと感じていたため、前向きに取り組む気持ちはありました。問題は、私のIPAの試験歴が2006年の基本情報技術者試験の取得まで遡るという点でした。実に14年ぶりのIPA試験です。しかも、一般的なステップである応用情報技術者試験を飛ばして、いきなり高度区分への挑戦となりました。


前提:当時の試験体系について

本記事が対象とするのは2020〜2021年当時の試験体系です。当時の情報処理安全確保支援士試験は以下の4区分で構成されていました。

区分内容合格基準
午前1高度区分共通の基礎知識(多肢選択30問)60点以上
午前2セキュリティ分野の専門知識(多肢選択25問)60点以上
午後1記述式・セキュリティの事例分析60点以上
午後2記述式・論述問題(長文読解+解答)60点以上

なお、令和8年度からはCBT方式に移行し試験体系が大幅に変更されています。最新の試験情報はIPA公式サイトでご確認ください。本記事の内容はあくまで旧ペーパー方式の経験談としてご参照ください。


取得の戦略:最初から1回合格を狙わない

仕事をしながらの学習である以上、毎日確保できる勉強時間には限界があります。基本情報技術者以来のブランクも考慮して、私は最初から次のような3回受験プランを立てました。

受験回時期目標実績
1回目2020年10月午前1・午前2を突破し免除権を獲得✅ 達成(午後1は36点・不合格)
2回目2021年4月午後1・午後2を通過して合格✅ 合格(計画より1回早い)
3回目2021年10月予備:2回目で不合格なら挑戦— (不要になった)

合格まで最長で約2年という見通しを立てたことで、焦らず計画的に学習を進められると判断しました。結果として、2回目で合格できたのですが、この「逆算プラン」が精神的な余裕を生んでくれたのは確かです。

情報処理安全確保支援士 学習タイムライン|2020年8月〜2021年4月の勉強記録


1回目(2020年10月)の勉強法

着手時期と勉強時間

試験の2カ月前(2020年8月)から学習を開始しました。仕事後の帰宅後に1日あたり約1時間、土日も含めてコンスタントに続けました。

重点配分:午前1に8割の力を注ぐ

1回目の目的は「午前1・午前2の突破」だったため、午前問題の対策に学習時間の大半を割きました。午前1は応用情報技術者レベルの幅広い知識が問われるため、久しぶりのIPA試験には特に手ごわく感じました。

使った教材①:うかる! 情報処理安全確保支援士(テキスト)

メインの参考書として、以下の書籍を最初から最後まで熟読しました。

「うかる! 情報処理安全確保支援士」(著:上原孝之 / 出版:日経BP)

試験範囲を網羅的に解説しており、セキュリティの基礎体系を整理するのに最適でした。暗号化方式・認証技術・ネットワークセキュリティ・法規制など、分野をまたいだ知識を一冊で整理できます。

使った教材②:午後の重点対策(参考書)

午後問題の雰囲気を掴むため、以下の書籍も少し解きました。ただし1回目は午前優先だったため、深くは取り組みませんでした。

「情報処理安全確保支援士「午後問題」の重点対策」(著:三好康之 / 出版:アイテック)

使った教材③:Webの過去問道場

書籍に加えて、以下の無料サービスを活用しました。

この2つのサービスは本当に優秀で、スマートフォンでも使えるため通勤中やスキマ時間に活用できました。特に午前2は出題パターンが比較的少ないため、繰り返し解いて定着させることが効果的です。

1回目の結果

区分得点合否
午前178.20点合格(60点以上)
午前288.00点合格(60点以上)
午後136点不合格
午後2—(採点なし)

午前1・午前2の突破に成功し、次回の午前1免除権を獲得できました。当初の目標通りの結果です。午後1が36点と大きく沈みましたが、1回目の目標は午前突破だったので想定内でした。むしろ午前2が88点と高水準だったことは自信になりました。

1回目を終えて

予定どおり午前1免除権を得られたことは素直に嬉しかったです。また、当初「2回目の目標」としていた「午前1・2の突破」を1回目で達成できたことで、2回目の学習をすべて午後問題に集中させられるという余裕が生まれました。


2回目(2021年4月)の勉強法

着手時期と勉強時間

1回目の合格発表の翌日から、すぐに2回目に向けた学習を開始しました。勉強時間を大幅に増やし、平日は早朝30分・昼休み30分・帰宅後1時間の計約2時間、休日は4時間を確保しました。

午後問題の過去問をメルカリで調達

午後問題は過去問の蓄積が合否を左右します。直近のIPAの過去問は公式サイトで無料配布されていますが、古い年度はダウンロードできないものもあります。そこで、メルカリで平成21年度分から最新までの過去問解説書を揃えました。これが後に「反省点」につながることになるのですが、当時は「多いほどよい」と思っていました。

使った教材③:左門至峰氏の午後問題解説書(全シリーズ)

午後問題対策の核として、左門至峰・平田賀一氏の解説書を存在する全期分購入して熟読しました。

この解説書の強みは、解答の導き方が非常に丁寧に記述されている点です。問題文のどの部分を根拠に解答を組み立てるか、セキュリティインシデントの文脈をどう読み解くかが、ステップバイステップで解説されています。「答えを覚える」のではなく「解き方を身につける」という方針で熟読しました。

使った教材④:村山直紀氏の「ずるい」問題集(試験直前)

受験日の前々日、思い切って以下の書籍を購入し、試験前夜は徹夜でこの一冊を読み込みました。

「情報処理安全確保支援士 速効サプリ」(著:村山直紀 / 出版:技術評論社)

帯に書かれた「初学者お断り!?のズルい問題集」というコピーが示すとおり、ある程度の知識を持つ受験者がプラス2〜5点を上積みするための実戦的な一冊です。試験直前のヤマ張りとして購入しましたが、結果的にこれが午後2の合格ラインを超えるための最後の一押しになったと思っています。

午後2の難しさ:10ページの問題文

午後2は、問題文だけで10ページ前後にのぼる長文を読んでから設問に答える形式です。情報処理安全確保支援士試験の中でも、ここが最大の難関だと感じました。「読む」こと自体が体力と集中力を要求します。毎日の過去問練習では、長文を読み続けることへの慣れを意識的に積み上げました。

2回目の結果

区分得点合否
午前1—(免除)
午前280.00点合格
午後180点合格
午後262点合格(60点以上)

2回目で合格できました。 当初の想定より1回早い取得でした。

午後2の62点はギリギリでしたが、逆を言えば「ギリギリでも合格は合格」です。直前に読み込んだ村山直紀氏の本が、本当にプラス数点を生み出してくれたと感じています。

2回目を終えての反省点

一つ大きなミスがありました。過去問の着手順です。メルカリで集めた古い過去問を、平成21年度分(最も古い年度)から順番に解き始めてしまいました。結果、最近の出題傾向を反映した直近の過去問に辿り着いたのは試験直前でした。

本来は直近の過去問から遡る順番が正しい学習順序です。試験はここ数年の出題傾向に合わせて準備するべきで、古い問題はあくまで補助的な位置づけにすべきでした。もし同じ試験を受ける方がいれば、直近5期→5年前→それより古い、という優先順位で取り組むことを強くお勧めします。


総合的な振り返り

かかった期間と勉強時間

  • 総学習期間:約8カ月(2020年8月〜2021年4月)
  • 1回目:約2カ月、1日1時間
  • 2回目:約6カ月、平日2時間・休日4時間

教材の優先順位まとめ

  1. 「うかる! 情報処理安全確保支援士」(上原孝之):試験の全体像把握と午前対策の基礎固め
  2. 過去問道場(sc-siken.com):午前2の徹底反復
  3. 左門至峰氏の解説書:午後問題の解き方を身につける核心教材
  4. 「午後の重点対策」(三好康之):午後問題の補助教材
  5. 村山直紀氏の速効サプリ:直前期のスコア底上げ

さいごに

基本情報技術者試験以来、自分にはIPAの高度区分は手の届かない試験だと思い込んでいました。しかし実際に合格できたことで、「努力すれば届く」という自己効力感を取り戻すことができました。

勉強期間中は子どもが生まれたばかりの時期と重なっており、夜泣き対応の合間に過去問を解く日々でもありました。そんな中でも妻が「過去問の正答率上がった?」と気にかけてくれたり、勉強に向かう姿を温かく見守ってくれたことが大きな支えになりました。

情報処理安全確保支援士の取得を目指している方、特に仕事・育児を抱えながら学習されている方の参考に少しでもなれれば嬉しいです。「妻が気にかけてくれた」という一言に、どれだけ救われたかわかりません。学びを支えてくれる人の存在は、独りよがりになりがちな資格勉強を続けさせてくれる一番の理由でした。


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ただの会社員

ただの会社員

AI/DX推進部 副部長|産業カウンセラー養成講座修了

地方在住の40代会社員。SE・PLを経てAI/DX推進に携わる副部長。情報処理安全確保支援士・ITIL4・AWS/Azure/GCP等30冠以上の資格を保有。転職で年収110万円アップの実体験をもとに、AI活用・資格学習・キャリア形成をリアルに発信しています。

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