2026年5月24日
ChatGPT Teamsを3か月評価してClaudeに乗り換えた話|DX推進部副部長の正直な記録
執筆: ただの会社員
- ChatGPT Teamsの料金・管理機能の概要(個人版との違い)
- DX推進部が実際に使った業務ユースケース3選(議事録・資料・社内FAQ)
- 評価期間に見えてきた「ChatGPT Teamsが苦手な場面」
- 3か月の評価を経てClaude Teamを追加導入した理由
ChatGPT Teamsとは?個人版との違い
ChatGPT Teamsは、OpenAIが提供するビジネス向けプランです(参考:OpenAI公式)。個人版との主な違いは以下のとおりです。
| 項目 | 個人版(Plus) | Teams |
|---|---|---|
| 月額料金 | 約20ドル/人 | 約25〜30ドル/人 |
| データ学習 | デフォルトON(設定で変更可) | デフォルトOFF(学習されない) |
| 管理コンソール | なし | あり(利用状況の可視化) |
| カスタムGPT共有 | 個人のみ | チーム内で共有可能 |
| コンテキスト長 | 通常 | 通常 |
一番のポイントは「データが学習に使われないこと」です。これがないと、社内の機密情報を貼り付けることへの社内承認が通らないケースが多いです。実際、私の職場でもこの点を情報セキュリティ担当に説明することで、ようやく使用許可が下りました。「情報漏洩が怖い」という感覚は、ちゃんと根拠がある懸念なので、否定せずに一緒に解決策を探した結果です。
実際に使っているユースケース3選
① 会議後の議事録作成
会議音声をテキスト化したあと、ChatGPTに以下のプロンプトを渡しています。
以下の会議テキストから、「決定事項」「宿題事項(担当・期限付き)」「次回確認事項」の3つのセクションで議事録を作成してください。
これだけで8割は使えるドラフトが出てきます。残り2割の修正は私が直しますが、1時間の会議の議事録作成が15分以内に収まるようになりました。
② 企画書・説明資料の骨格作り
新しいDXツールを役員にプレゼンする資料の骨格を ChatGPT に作ってもらい、数字や固有名詞は自分で入れる、という使い方です。
「プレゼン資料の目次と各スライドの概要を書いて」とだけ指示すると、論理構成まで考えてくれるので、あとはPowerPointに流し込むだけです。0から考えるより格段に早くなりました。
③ 社内問い合わせ対応の文章化
「このシステムの使い方を知りたい」という問い合わせへの回答を、マニュアルの一部をコピペしてChatGPTに「初心者向けにわかりやすく説明してください」と依頼するケースです。
正直、マニュアルをそのまま渡すだけでは対応が難しいケースもありますが、「目的」「操作手順」「注意点」の3段構成に整理してもらうだけで返信のクオリティが上がりました。
導入で一番大変だったこと:社内の合意形成
技術的なハードルより、社内の合意形成の方がはるかに大変でした。
具体的には以下の3つの懸念が挙がりました。
- 「情報漏洩リスクがあるのでは?」(→Teamsはデフォルトで学習オフと説明)
- 「AIが出した内容の責任は誰が持つの?」(→最終確認は人間が行うルールを明文化)
- 「使えない人が不公平では?」(→全員向けに入門ハンズオンを企画・実施)
特に②は、社内ガイドラインの整備が必要でした。「AIの出力をそのまま外部に送らない」「最終責任は担当者が持つ」という2点をルール化して回覧し、ようやく運用に移れました。
情報セキュリティ担当を説得した具体的な説明
中でも最も丁寧に説明が必要だったのは、情報セキュリティ担当への対応です。「社内の情報がAIの学習データに使われる」という懸念は、根拠のある不安なので頭ごなしに否定はしませんでした。
私が説明で重点を置いたのは、「パブリックなクラウドに当社の情報が学習されない」という一点です。
ChatGPT Teamsは、入力したデータがOpenAIのモデル学習に使われないことをサービス仕様として保証しています。これは個人版(ChatGPT Plus)ではデフォルトONになっている設定を、Teamsでは最初からOFFにしてある、という違いです。この仕組みを資料にまとめて説明したことで、情報セキュリティ担当の懸念は大きく和らぎました。
また、私の主観も正直に添えました。当社は社員50名強の中小企業で、癖の強い人が少なく、比較的「性善説が通じる職場環境」だという判断です。全員が守れる現実的なルールを作れば、極端なリスクは抑えられる——そう判断していました。もちろん、主観に過ぎないことは自覚していますし、規模が違えば同じアプローチが通じるとは限りません。ただ、自分の職場の文化をよく知っている担当者として、そこまで含めて説明することが誠実だと思いました。
情報セキュリティの懸念は「怖いから反対」ではなく「どこまで安全なら使えるか」という対話に変えること——これが導入交渉のコツだと今も思っています。
評価期間で見えてきた「ChatGPT Teamsが苦手な場面」
3か月使い込むことで、どの業務に向いていてどこが苦手かが実感としてわかってきた。
- 長い文書の精査:10ページ以上の会議資料を渡して「矛盾している箇所を指摘して」という指示では、後半の情報を落とすことが多かった
- 文脈を引きずる会話:長いセッションの後半になると、前半の指示内容がうまく反映されなくなる場面があった
- 社内固有の数値・規程の回答:自社の就業規則や内規は学習されていないため、そのままでは答えられない(これはどのAIも同じ)
- 完全に任せきりにする業務:誤情報を自信満々に提示することがある(ハルシネーション)ため、重要な数字は必ずファクトチェックが必要
なぜClaude Teamを追加導入したのか
ChatGPT Teamsが使えないからではなく、「Claudeの方が明らかに向いている業務が存在した」からだ。
個人でClaude Proを使い始めたとき、長文資料を渡したときの文脈保持の安定感が全然違うと感じた。経営会議の10ページ超の議事録を読み込ませて矛盾点を指摘させると、Claudeの方が精度が高かった。それをチームでも使えるようにしたかった。
「ChatGPTの代わりにClaudeを入れる」ではなく「ChatGPTとClaudeを用途別に使い分ける」という提案で社内を説得した。その詳細は別記事にまとめている。
投稿者の所感
この3か月の評価期間を通じて、「AIツールを使えている」という感覚が職場に生まれたことが一番の収穫だと思っている。ChatGPT Teamsを試してよかったのは、成果が出たからだけでなく、「AIを使う文化のベースライン」が職場にできたことだ。それがあったから、その後のClaude Team追加提案もスムーズに通った。最初の一歩がどれだけ大事か、身をもって経験した3か月だった。
※ 料金・機能は2026年5月時点の情報です。プランや仕様は随時改定されますので、最新情報はOpenAI公式サイトでご確認ください。
ただの会社員
AI/DX推進部 副部長|産業カウンセラー養成講座修了
地方在住の40代会社員。SE・PLを経てAI/DX推進に携わる副部長。情報処理安全確保支援士・ITIL4・AWS/Azure/GCP等30冠以上の資格を保有。転職で年収110万円アップの実体験をもとに、AI活用・資格学習・キャリア形成をリアルに発信しています。
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